嘘だらけの食料自給率 野菜を作りながら「日本は世界5位の農業大国」を読んでみた。
最近あまり言われなくなった「日本の食料自給率」ですが、
2018年度はカロリーベースで過去最低の37%に落ち込むなか、
農水省の依頼を受けて内閣府が公表してきた
「食料の供給に関する特別世論調査」が
14年を最後に調査をしていないとのことです。
世界的な「食糧危機」が起きたときでも心配するな‼︎
これまで日本の食料自給率は主要先進国でも最低水準であることが、
関係省庁から公表され私たちはその現状に危機感を抱いていました。
自給率37%と言うと、毎日食べている食事の6割以上が
海外産の輸入食料品を食べているのかと疑問に思いつつ、
戦争などで輸入制限が起きると、
国民が飢餓する可能性だってあるのではないかと思ってました。
食生活の洋風化でパン食・肉食化が進み、
一方で米は減反政策が行われ、益々輸入品に頼って
国産品の自給率が引き下げられてしまいます。
ただ、これには食料自給率の算出方法が、
他の先進国と異なる計算式で行われているところに大きな違いが起きていました。
日本で採用されているのは「カロリーベース」の総合食料自給率です。
この計算方法は、
国民一人一日当たり国産熱量÷国民一人一日当たり供給熱量×100とし、
これは輸入された餌で育った牛や豚や鶏や卵などは
国内で育てられたものであっても国産熱量に算入をしないのが、
カロリーベースにおける食料自給率の特徴です。
また、日本では特に多く問題になっている、
食べ残しや消費期限で廃棄される食料も分母の供給熱量に含まれるため、
更に自給率が低くなるということになります。
それでは世界標準の「生産額ベース」でみるとどうなるのでしょうか。
こちらは主要先進国など多くの国が使っている計算式で、
以下のように計算するそうです。
国内の食品生産額÷国内の消費仕向量×100となり、
これに基づいて計算すると日本の食料自給率は66%となります。
これはオーストラリア128%、カナダ121%、
アメリカ92%フランス83%イタリア80%には及びませんが、
ドイツ・スイス70%、イギリス58%等と同程度か少し高い自給率を表し、
決して高いとは言えない数字ながら、
主要先進国で最低水準となっていたカロリーベースと違い、
生産額ベースでみると他国と比べてそれ程見劣りする数字ではないことが分かります。
ただ、やはり食料品については各国ともに
いかに自給自足が出来る体制を整えるかということは大切なことで、
TPP等により日本と世界の間に垣根がなくなり
簡単に物流が行われるメリットの裏側には、
緊急時に自らの力で食糧事情を乗り越えることが出来るという
対応策が必要かと思われます。

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