「リースバック」と「リバースモーゲージ」のキモ
「リースバック」は自宅などの不動産を
投資家や不動産会社に売却し、その売却先と賃貸借契約を結んで
リース料(家賃)を支払うことで、引き続き売却した住宅に住むことができます。
「リバースモーゲージ」はシニア層向けで自宅を担保にして
そこに住み続けながら金融機関から融資を受けられる制度で
借入資金は死亡後に自宅を売却し、一括返済する仕組みです。
リースバックのメリ・デメ
リースバックは、子どもの教育資金・病気の治療費・事業資金など多額の資金が
必要な際によく利用されます。そのメリットとは
・売却した住宅に住むことができ、子どもの学区を変更しないですむ
・所有権がないので固定資産税などの支払いも不要
・近隣の人に自宅を売却したことが気づかれにくい
・将来的に買い戻すことが可能
ただし、デメリットもたくさんあります
・売却価格が周辺相場より安くなることが多い
・毎月のリース料(家賃)が周辺相場より高くなることが多い
・買戻しが可能だが、その費用は売却価格より高くなる場合が多い
・賃料を2〜3ヶ月以上滞納すると、買戻しができず退去しなくてはならない
・買戻しの際の住宅ローンの審査が厳しくなる
⬜︎どこの不動産会社でも取扱ってるわけではなく、専門の業者があります。
いったん手放した不動産を買い戻すことは高齢者には難しく
若い人向けのものといえるでしょう。
現在の住宅に住み続けなければならない事情がない限りは
通常の売却の方が有利です。
リバースモーゲージのメリ・デメ
最近よく耳にするリバースモーゲージですが、融資対象は不動産の
土地のみの評価で、60歳以上くらいの高齢者を対象として
金融機関や一部自治体が取り扱ってます。
そのメリットは
・元金は死亡時に一括返済するため、毎月の支払いは金利のみとなる。
・自宅を手放すことなく老後資金の借入ができる
・契約者が死亡した場合でも配偶者が契約を引継ぐことのできる場合もある
・借入資金使途が自由としている金融機関が多い
良いことばかりは絶対にありません。デメリットとして
・相続人の同意を要し、配偶者・親以外の同居人がいる場合は対象外となる
・金融機関の評価は一般相場の70〜80%程度
・長寿により融資限度額の資金を使い切るおそれがでる
・不動産価値が下落すると限度額の見直し、或いは融資金額が多いと差額返還請求される
・変動金利採用のため金利が大きく上昇すると、毎月の金利支払いが高騰する
・利用者が高齢化し、自宅の管理に持てあます可能性がある
⬜︎一見、メリットの多いリバースモーゲージに思われますが、
利用者が長寿社会に入り借入期間も長期に渡るため
その間、想定外のできごとが起きる可能性がないとは言えません。
このような制度を利用する場合十分に理解したうえでご検討ください。

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