今年の路線価は10月に修正案の可能性がある!不動産のミチテラス
7月1日に2020年分の路線価が発表され
前年比1.6%上昇していますが、
今年の場合は現在のコロナ禍の影響で、
地価が大幅に下落する可能性があることから
国税庁では地価調査などを踏まえ、
10月以降路線価の減額修正を含む対応の要否を検討するようです。
不動産の価格について
2020年(令和2年)の路線価は前年より1.6%上昇しています。
これで路線価は5年連続で上昇する結果となりました。
京都のトップは京都市下京区四条通寺町東入二丁目御旅町(四条通)で
673万円/㎡と伸び率も高かったようです。
ところで、私たちが普段購入する商品については価格がついていますが、
不動産の世界ではひとつの不動産(土地)について四つの価格が存在し、
これを「一物四価」と呼び異なった用途で使用され
状況に合わせた価格が決められます。
⑴ 実勢価格
市場において実際に取引が成立する相場価格
⑵ 公示価格
国交省が標準地について毎年1月1日時点での金額を評価した価格
⑶ 路線価(相続税評価額)
相続税や贈与税を計算するために国税庁が定めた価格
⑷ 固定資産税評価額
市役所などの自治体が管轄内の不動産について独自に評価した価格
これに基準地価を含めて「一物五価」と呼ばれることもあります。
実勢価格とその他の価格差は下のグラフのイメージです。
ただ、実勢価格についてはたとえ同じ路線価の中にあっても、
複合的要因により価格に差が生じてきます。
たとえば、
□用途地域 □建ぺい率・容積率 □土地面積 □更地or建付地
□方位 □土地の形状 □間口 □前道幅員 □公道・私道
□接道状況と高低差 □日照・騒音・景観 □近隣状況 □交通利便性
□既存供給設備 等々あらゆる諸条件に左右され、
たとえお隣の土地であっても同じ単価になることはありません。
今後のコロナウイルスの収束状況が地価に影響する
今回発表された路線価は2020年1月1日時点の価格で、
新型コロナウイルスの影響は加味されていません。
例年は7月1日に発表された路線価を来年の6月30日までの1年間利用しますが、
現在まだ続いているコロナウイルスの影響で
年の途中で地価が大幅に下がる可能性が出ているため
検討の余地を発表した予定です。
万一実勢価格の地価が下がってしまうと
路線価が地価より高くなる可能性もあります。
そのような傾向を避けるため毎年9月に国交省が発表する都道府県調査を踏まえ、
国税庁でも地価調査を行い補正を検討するようです。
今回の対応はリーマンショックの後でもなく、実施されれば初めてのことです。

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