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毎週水曜日 第2第4木曜日
2021年03月24日
不動産賃貸管理

賃借人が亡くなっても賃貸借契約は終了せず、賃借権は相続される

古い町家風の借家で暮らす一人の高齢者女性がいました。

元々はご両親が結婚した昭和初期に賃貸借契約を結び居住していました。

やがてお母さんが亡くなり、その後お父さんも老衰で亡くなったとのことで、

一人で暮らしていました。

実父から賃借権の相続を受け一人で済む高齢者女性

雨漏りが酷いとのことで現状を確認しました。

本人は既に2階にはほとんど上がって生活することはないとのことでしたが、

一緒に上がってみると2階の1室にバケツが4個置かれていました。

1階にも被害がでていて天井と壁には新しい染みが出来ています。

以前聞いた話によると、現在の大家さんの父親が建てた家とのことで、

借主のご両親は新築時から住んでいたらしく、

現在住んでる高齢女性は、その後この家で生まれたそうです。

建物の謄本は見ていなかったのですが、

話しの内容から察するに多分築後90年は経過しているようです。

昔の契約なのでよく分かりませんが、

居住後は建物に不具合が出ても借主の費用で補修することになっていたようで、

実際今の高齢女性のお父さん時代には色々と補修をしていて、

その分家賃もかなり低く抑えられていたようです。

ただ、もう90年は経過していると思われる木造建物は、

生活できる住宅として補修するにはかなりの費用を要し、

借主の女性にそれだけの資金を捻出できるはずもなく

かと言って、

大家さんもそれだけ多大な費用をかけるような家賃ももらっていません。

古家の空き家も困るが古家に住むのも危険がいっぱい

さて、それではどうするかとのことになったのですが、

これ以上この建物を放置していて危険建築物として指定されても困ります。

そこで、建物を解体する方向で進めていくので退去してほしい旨を伝え、

ついては新しい住まいも当方で責任もって探し

引越し後にこの家の契約を終了させましょうと伝えました。

ところがこの借主、私が考えているほど以上に

とてつもなくこの家に愛情を持っておられたようです。

よく考えれば当たり前のことです。

それもその筈、この家で産まれ育ち、

この家から学校に通い、あるころまではこの家から京都市内に通勤し、

結婚もされなかったので、この家から離れたことはないとのことでした。

そして一人暮らしになったこれからも

父親・母親の思い出と一緒に暮らしていきたいとのことでした。

疲れてる時こそお喋りをしましょう!他愛のない話題でも気が晴れるよ

一般的な賃貸借契約では借主が亡くなった場合、

改めて相続人が入居することはそれほど多くはないでしょう。

しかし借主の死亡は賃貸借契約上の終了原因にはなりませんので、

当然相続人に相続されることになります。

相続人が全て同居している場合や全員別居している場合は

相続人全員に賃借権が相続されますが、

一部の相続人が同居していた場合は同居相続人にのみ

賃借権の相続を認めた判例もあるようです。

 

上記の女性も一人娘だったとのことでした。

女性の借主と行政からの弁護士、福祉事務所を交えての話となり、

結局のところ一人暮らしで買い物などもデイサービスに頼んでいたようで、

ほとんど運動らしき運動もせず、部屋にいても心が落ち込むだけなので

ケアマネさんの説得もあり、不承不承ではありましたが

サービス付き高齢者住宅に入居しました。

女性の借主さんお元気でしょうか!

「ふさぎ込んでないで、ほら、白い歯を見せてね。」

この記事を書いた人
トラッド専務・社長の夫 充男 トラッドセンム・シャチョウノオット ミツオ
トラッド専務・社長の夫 充男
やるべきかやらざるべきか、大きな事案で本当に迷ったときは後悔しないように前向きな方向で進めています。正直なところ、これまで人生をやり直したいと思ったことが幾度かありました。だからこそ、今はそう思うことのないよう常に前向きに心がけています。営業エリアは京都市北部をメインにしていますが、京都以外の田舎の家の売買・賃貸・管理についてもご相談をお受けいたします。昭和の時代より不動産業界に携わっています。経験だけが全てではありませんが、業界歴30余年間に身につけた知恵・知識を活用出来ればと思います。
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