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2021年05月19日
不動産賃貸管理

賃貸借契約を結び初期費用全て受領したが、借主がドタキャンした⁉︎

不動産屋泣かせの一つでもあるのですが、

賃貸借契約を交わし初期費用も受領して

後は入居前日に鍵を渡すだけで全て完了なのに

借主からキャンセルの電話が入りました。

事情を聞くと、やはり現在の住まいの近辺が良くて

人づてに他の物件を探したとのことです。

改正民法では契約における申し込みと承諾の有無が重要

今回の場合、借主の言い分としては、はまだ入居していないし

鍵も受け取っていないので

初期費用として支払った費用を全て返してくれと自己主張ばかりして

これにより被害が被る人たちのことは一切考えていません。

逆に、ごくたまにあることですが、口約束だけで借りたいと言って、

契約書も申込書もなしで、後日、契約成立を主張する人もいます。

(昔、こんな人が現実にいました。ご注意ください)

賃貸借契約は、賃貸借契約書が作成締結され

貸主・借主の意思が確定的になった時点で認められ、

鍵の引渡しについては契約書に記載された入居日か入居前日に渡すため、

鍵の引渡しが出来ていなくても、成立したものとされます。

民法上では口頭(口約束)での成立が認められますが、

新民法では契約の形式や手続きよりも

契約における申し込みと承諾の有無が重要だとされています。

賃貸借契約では契約後にキャンセルという言葉はない

この借主は賃貸借契約においても、

クーリングオフが可能だと勝手に解釈していたようです。

確かに、申し込みだけしてやはり止めておきますという場合は、

キャンセル可能ですが

宅建取引士から重要事項説明を受け賃貸契約書に署名押印して契約を行うと、

既にその後ではキャンセルではなく、解約ということになります。

また、先に記載したように、

申し込みをした時点や保証会社の審査が通った時点、

大家さんが入居を承諾した時点で、契約が成立したとされる

「諾成契約」をとる宅建業者もたまにあるようですが、

現在は、ほとんど契約書の締結と初期費用の受渡しにより

契約成立となっています。

契約した時点で発生したものと未了なものを分ける

では、このような契約締結後入居前の時点での解約になると、

どのような処理がされるのでしょうか。

判例によれば礼金や事務手数料、仲介手数料など

契約成立に伴い発生するものについては

返還すべき理由はないと判断されています。

しかしながら、貸主が受領する

敷金・日割家賃・翌月家賃や火災保険・鍵交換費用などについては、

返還する必要があると判断されています。

ただ、この場合でも貸主としては不合理な点も多く、

賃貸借契約書にて違約金条項で賃借人が契約後即時解約する場合には、

違約金が発生することを定めておくことにより、

貸主である大家さんの損失をある程度まで担保できます。

入居者である借主も、賃貸借契約ではクーリングオフなどありませんので、

十分に検討したうえで契約いたしましょう。

ただ、それは決して時間をかけるのではなく、

自分なりに賃貸物件に必要なチェック項目を検討し

納得ができれば契約する方向で進んでいけば良いのではないでしょうか。

この記事を書いた人
トラッド専務・社長の夫 充男 トラッドセンム・シャチョウノオット ミツオ
トラッド専務・社長の夫 充男
やるべきかやらざるべきか、大きな事案で本当に迷ったときは後悔しないように前向きな方向で進めています。正直なところ、これまで人生をやり直したいと思ったことが幾度かありました。だからこそ、今はそう思うことのないよう常に前向きに心がけています。営業エリアは京都市北部をメインにしていますが、京都以外の田舎の家の売買・賃貸・管理についてもご相談をお受けいたします。昭和の時代より不動産業界に携わっています。経験だけが全てではありませんが、業界歴30余年間に身につけた知恵・知識を活用出来ればと思います。
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